2年前、パパが失踪した。家はすぐに貧乏になって、生活レベルを下げられないママは「今だけお願い」と私に体を売るように求めて来た。最低だと思う。だけど私は受け入れた。私の唯一の家族だったから。初めての相手はママの元カレだった。太ったお腹で押しつぶされながら処女を失い、痛みで泣いたのを覚えている。貰ったお金を渡すと「ゴメンね」とママも泣いて、そのお金で綺麗な服を買っていた。そんな事を何度か繰り返すうちに、ママは新しい仕事を見つけて、私は元の生活に戻れた。もうあんな思いはしなくて良いんだ。普通の女の子になっていいんだ。だから私は恋をした。今日は楽しみにしていた夏祭り。クラスのみんなと待ち合わせして花火を見に行く約束をした。可愛い浴衣を着て、気になる男子の隣を歩きたい。そう思ってたのに――。「今日はこの人とお泊りして欲しいの、意味わかるよね?」 ママはオジサンからお金をもらって嬉しそうにカバンにしまう。「今日は友達とお祭りに行く約束してるから」 そう答えると、「そんなの断ればいいじゃない」と笑ってママは部屋から出て行く。なんで、どうしてと狼狽える私にオジサンはそっと近づいて、「エッチしたら僕と一緒にお祭り行こうよ」と私の肩を抱いてきた。母の呪縛から逃れられない。クズな大人たちに利用された健気で哀れな少女のおはなし。
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